地籍測量・地積測定

           (地籍調査作業規程準則 *は運用基準の項目等)

 

  1. 地籍測量の共通事項
  1. 地籍測量の方式(準則37条・運用18、19条)必携P−36
    1.  地上法…地上で行う測量の方式
    2.  航測法…空中写真測量による方式
    3.  併用法…地上法と航測法を併用する方式   
    4.  地籍測量は、座標計算により筆界点の位置を求める方式

   * 器械及び器材…〔別表第4 P.66〕 作業の記録等…〔別表第5 P.68〕

 

  1. 測量の基礎とする点(準則38条)必携P−36
    1. 基本三角点(電子基準点を含む)及び基本水準点
    2. 法第19条第2項により認証又は同条第5項の指定された基準点

参考例

三等三角点 三日月

三角点情報

 

三等三角点 三原山

 三角点情報

二等三角点 上本郷

三角点情報

 

四等三角点 広山

 三角点情報

四等三角点 弥ノ谷

三角点情報

 

四等三角点 新宿

 三角点情報

  1. 位置及び方向角の表示の方法(準則39条) P−37
    1. 地点の位置…平面直角座標系による平面直角座標値《令別表第一 P.638》
    2.    〃 標高…測量法の日本水準原点を基準とする高さ(施工令第2条第2項)P−629

    3. 方向角…その地点が属する座標系のX軸に平行な地点を通る軸の正の方向を基準

 とし、右回りに測定して表示

  1. 地籍図の図郭(準則40条)…令第2条第1項第6号(P.37、P.19
  2. 地図上で座標系原点から縦の方向(X軸)…25cm

                  横の方向(Y軸)…35cm

  3. 原 図(準則41条) P−37

地籍測量の結果作成された地図を地籍図原図という

2 地上法

 1)地上法・全般

  1.  作業の順序(準則42条) P−37


地籍図根三角測量


地籍図根多角測量

 

 


細部図根測量


一筆地測量

    1. 地籍図根測量は、一筆地調査と平行して行うことができる

 

  1.  地籍図根点(準則43条・運用20条)P−38


地籍図根三角測量により決定された点…地籍図根三角点


地籍図根多角測量により決定された点…地籍図根多角点

    1. 基準点測量(国土地理院)により決定された節点・基準多角点を地籍図根三角点

 とすることができる

 

 (3) 地籍図根点の配置(準則44条・運用21条) P−38

    1. 調査地域内の基本三角点及び四等三角点の配置を考慮し、四等三角点等及び地籍
    2.  図根点の密度を定める

    3. 地籍図根点等の密度は、単位面積当たりの土地の筆数、地形、地物、見通し障害

 等の状況、隣接する地域における地籍測量の精度及び縮尺等を考慮して定める

* 配置密度…〔別表第1 P.63〕

 

  1.  地籍図根測量の方法(準則45条) P−39
  2. 多角測量法により行う。但し、地籍図根三角測量は、地形の状況等によりやむを得

       ない場合は、直接水準測量法を併用できる

     

  3.  地籍細部測量の基礎とする点(準則46条) P−39

地籍図根点等を基礎として行う。地籍図根多角点は、その地籍細部測量の精度区分

   以上の精度区分に属するものとする

 

 

 2)地籍図根三角測量

  1. 地籍図根三角点の選定(準則48条) P−39
    1. 後続の測量を行うのに便利であり、標識の保存が確実である位置に選定する
    2. 地籍図根三角測量を行う区域に平均的に配置するよう選定する

 

  1. 多角路線の選定(準則49条・運用22条) P−40
    1. 多角路線の選定は、四等三角点等又は地籍図根三角点を結合する多角網を形成す
    2.  るように努める。但し、地形の状況等によりやむを得ない場合は、単路線でもよい

    3. 多角路線は、なるべく短い経路を選定する(*3km以内)
    4. 多角路線の次数は、四等三角点等を基礎として二次までとする。但し、地形の状

 況等によりやむを得ない場合は、三次までとすることができる

 

  1. 選点図(準則50条・運用23条) P−41

   地籍図根三角点、多角路線の選定の結果は、地籍図根三角点選点図に取りまとめる

 

  1. 標 識(準則51条・運用24条) P−41

   地籍図根三角点には、標識を設置する(*永久標識)

 

 (5) 観測、測定及び計算(準則52条・運用25条) P−42

   @ 観測及び測定は、地図及び簿冊に令で定める誤差以上の誤差が生じないよう行う

A 地籍図根三角点の座標値及び標高は、@の観測、測定の結果に基づいて求める

 その結果は、地籍図根三角網図及び地籍図根三角点成果簿に取りまとめる

      気圧、温度、基礎ベクトル及び高低差

  観測等の方法…〔別表第6 P.70〕偏心要素の測定…〔別表第7 P.7

  計算の単位、計算値の制限等…〔別表第8 P.74〕

  平均計算に用いる重量…〔別表第9 P.74〕

 3)地籍図根多角測量

  1. 地籍図根多角点の選定(準則53条・運用26条) P−42

   後続の測量を行うのに便利で、標識の保存が確実である位置に選定する

 

  1. 多角路線の選定(準則54条・運用27条) P−43
    1.  多角路線の選定に当っては、地籍図根点等を結合する多角網又は単路線を形成
    2. するように努める(路線長=1.5km以内)

    3.  多角路線の与点となる地籍図根多角点は、その路線についての地籍測量の精度区
    4. 分以上の精度区分に属するものとする

    5. 多角路線の次数は、地籍図根三角点等を基礎として三次までとする

 (3) 地籍図根多角交会点の選定(準則55条・運用28条) P−44

    1. 後続の測量に資するために必要がある場合には、地籍図根多角測量に伴って多角
    2.  路線外に地籍図根多角交会点を選定することができる

    3. 地籍図根多角交会点は、地籍図根多角測量における与点とすることができない

* 地籍図根多角交会点の基礎とする点、内角の観測

 

 (4) 選点図(準則56条・運用29条) P−44

   地籍図根多角点、多角路線の選定の結果は、地籍図根多角点選点図に取りまとめる

 

  1. 標 識(準則57条・運用30条) P−44

   地籍図根多角点には、標識を設置する。但し、自然物、既設工作物を利用すること

  を妨げない

 

  1. 観測、測定及び計算(準則58条・運用31条) P−44
    1. 観測及び測定は、地図及び簿冊に令で定める誤差以上の誤差が生じないよう行う
    2. 地籍図根多角点の座標値は、@の観測及び測定の結果に基づいて求める

 その結果は、地籍図根多角点網図及び地籍図根多角点成果簿に取りまとめる

 基礎ベクトル

  観測等の方法…〔別表第10 P.75〕座標値の制限等…〔別表第11 P.78〕

  交会点の計算…〔別表第12P.79〕平均計算に用いる重量…〔別表第13 P.79〕

 

 4)細部図根測量

  1. 細部図根測量の方法(準則59条) P−45
  2.    多角測量法によることを原則とする。但し、見通し障害等によりやむを得ない場合

      には、放射法によることができる

     

  3. 細部図根点(準則60条) P−45
  4.   @ 細部図根測量により決定された点を細部図根点という

    A @の細部図根点のうち多角測量法により決定された点を細部多角点という

     

  5. 細部図根点の選定(準則61条・運用32条) P−46

   後続の測量を行うのに便利で、標識の保存が確実である位置に選定する

 

  1. 標 識(準則62条) P−46
  2.    細部図根点には、標識を設置する。但し、自然物、既設工作物を利用することを妨

      げない

     

  3. 多角測量法による細部図根測量(準則63条・運用33条) P−46
    1. 多角測量法による細部図根測量における多角路線の選定は、地籍図根点等又は細
    2.  部多角点を結合する多角網又は単路線を形成するように努める。但し、見通し障害

       等により真にやむを得ない場合は、閉合路線を形成することができる

    3. 細部多角路線の与点となる細部多角点等は、その路線の地籍測量の精度区分以上
    4.  の精度区分に属するものとする

    5. 多角路線の次数は、地籍図根点等を基礎として二次までとする

* 多角路線の長さ…1km以内  観測等の方法…〔別表第15 P.80〕

  計算の制限等…〔別表第16 P.84〕

  1. 放射法による細部図根測量(準則64条・運用34条) P−47
    1. 細部多角点等を与点として行う
    2. 放射法による図根点の次数は、地籍図根点等を基礎として二次までとする

座標値の較差…〔別表第19 P.88〕

  1. 細部図根点配置図等(準則67条・運用35条) P−47
    1. 細部図根測量の結果は、図郭の区域ごとに、細部図根点配置図及び細部図根点成

 果簿に取りまとめる

A @の場合において、細部図根点配置図は、地籍図根多角点網図に取りまとめるこ

 とができる

 5)一筆地測量

  1. 一筆地測量の基礎とする点(準則68条) P−48

   地籍図根点等及び細部図根点を基礎として行う

 

  1. 一筆地測量の方法(準則70条・運用36〜39条) P−48
  2. 放射法、多角測量法、割込法、距離法又は交点計算法による

        *1 放射法又は距離法

        誤り等の点検…〔別表第20 P.88〕 点検の較差…〔別表第21 P.90〕

        観測等の方法…〔別表第23 P.91〕 計算の制限等…〔別表第22 P.91〕

        *2 多角測量法

        精度区分と路線の制限…《令別表第五 P.644》

        観測等の方法…〔別表第23 P.91〕 計算の制限等…〔別表第24 P.93〕

     *3 割込法

         観測等の方法…〔別表第23 P.91〕 計算の制限等…〔別表第24 P.93〕

        *4 交点計算法

           計算の制限等…〔別表第24 P.93〕

     

  3. 次数の制限(準則71条) P−50

   一筆地測量における筆界点の次数は、細部図根点等を基礎として、多角測量法にあ

  っては二次まで、その他の方法では一次までとする

   この場合、地籍図根三角点等を基礎として筆界点の通算次数は、六次までとする

 

(4) 筆界点の点検(準則72条・運用40条) P−50

    筆界点の位置は、その位置が現地の位置を正しく表示しているかどうかを点検する

 

 (5) 原図の作成(準則74条・運用41条) P−51

    1. 仮作図を行い図形その他の事項に誤りがないことを確かめた後、地籍図の様式を

 定める省令に基づいて必要な事項を表示した上、原図用紙に製図して作成する

A @の作業を終えた後、筆界点番号図、筆界点成果簿及び地籍図一覧図を作成する

 

 (6) 地籍明細図(準則75条・運用42条) P−51

   原図の一部について、その部分に属する一筆地の状況が、その原図の縮尺では、所

  要の精度をもって表示されることが困難である場合は、その部分について所要の精度

  を表示するに足りる縮尺の地籍明細図を別に作成することができる。

地籍明細図の表示事項

 

 

3 航測量法

  (準則76条〜84条 省略)

 

 

4 地積測定

  1. 地積測定の方法(準則85条・運用54,55条) P−58

   地積測定は、現地座標法により行う

地積の計算式…《別記計算式 P.97》

筆界未定地の地積

 

  1. 点 検(準則86条) P−58
  2.    地積測定を行った場合には、原則として単位区域ごとに、単位区域を構成する各筆

      の面積の合計と、その単位区域の面積が等しくなるかどうかを点検する

     

  3. 地積測定成果簿(準則87条) P−59
    1. 地積測定の結果は、地積測定成果簿に取りまとめる
    2. 地積測定成果簿における地積は、平方メートルを単位とし、1平方メートルの

 千分の一未満の端数を四捨五入して表示する

5 地籍測量関係・参考図書

    1.  地籍測量の手引(平成14年改訂版)……………………………全国国土調査協会
    2.  地籍測量及び地積測定における記録及び成果の記載例……日本国土調査測量協会
    3.  地籍調査事業の工程管理及び検査の手引き(平成14年改訂)…全国国土調査協会

 

6 兵庫県の座標系と原点《令別表第一 P.638》

    1. 座標系の区分…中国東 V
    2. 座標系原点 …経度(東経)134゜20 00 000 (X=0.000m)

         緯度(北緯) 36゜00 00 000 (Y=0.000m)

7 主な測量用語等

  1. 方位角と方向角
    1. 方位角…真北を基準に、右回りに測った角度
    2. 方向角…平面直角座標系のX軸の正方向を基準に図った角度
  1. 測角方法の種類
    1. 交角法…内角又は外角

     閉合多角網における角の総和

    1. 内角 I=180゜(n−2)
    2. 外角 I=180゜(n+2)

   A 偏角法

  閉合多角網における角の総和

       I=360゜  

    1. 方位角法

 

  1. 測角誤差の配分方法
    1. 各角に均等配分
    2. 各測角に一様に誤差が発生したとき

    3. 角の大きさに比例した配分

角の大きさに比例して誤差が発生したとき

   B 測線距離に逆比例した配分

  各測線の長さに逆比例して誤差が発生したとき

 

  1. 方向角の計算
    1. 交角観測の左回り路線

方向角δ=前のδ+交角α−180゜

 但し、前のδ+αが180゜未満の場合、+180゜

   A 交角観測の右回り路線

方向角δ=前のδ+180゜−交角α

   但し、方向角δが360゜を超える場合、−360゜

 

  1. 方位の計算

   測線が子午線となす90゜より小さな角…真子午線方位、磁方位

    1象限( 0゜〜 90゜)N(δ)E      3象限(180゜〜270゜)S(δ−180゜)W

    2象限( 90゜〜180゜)S(180゜−δ)E  4象限(270゜〜360゜)N(360゜−δ)W

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